重篤な疾患の鑑別診断

当院では、重篤な疾患の鑑別診断も心掛けています。

当院に来院される患者さんの症状では、腰痛や肩こりなどの身体の痛みや歪みが気になるといった方が多いのですが、ほとんどが運動器系(筋肉・骨)の疾患です。
そういう方は、施術で改善していけます。

しかし、ごくまれに運動器系以外の患者さんもおられます。

患者さんから、問診時などで症状についてお話を聞くときには、「どういう動作をした時に痛みが増えますか？もしくは、どういう動作をしたときは楽ですか？」

という事を必ず質問します。これは、運動器系由来の症状だろうかと確認するためです。

逆に言えば、重篤な疾患もしくは、内臓由来の痛みは無いだろうか？も確認しています。

もし何か「これはおかしい」と思えば、病院での受診を勧めます。

以下の症状があれば、早急に病院への受診へ行っていただきます。

当院に来られる可能性のある症状「①頭痛、②めまい、③腰や背中の痛み」の場合でいくつか紹介します。

①危険な頭痛

• 突然起こった頭痛かどうか？
  → 頭痛の起こった瞬間が分かる

• いつもとは違う頭痛かどうか？
  → こういう頭痛は初めてと感じるもの

• 目覚め時の頭痛、頭痛で目が覚める
  → 頭痛で目が覚めたのか？目が覚めて歯を磨いたら頭痛がしたのか？
  これらの頭痛は、重篤な脳疾患(くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍)が起こっているか、そのリスクが急激に高まっている可能性があります。

②危険なめまい

• 2分以上続くめまいか？
• グルグルするような激しいめまいが長く続く
  →30分くらい目が回っていた場合、30分絶え間なくめまいが続いたのか、あるいは、短時間のめまいを繰り返して30分したらめまいが起こらなくなったのか？

• めまいの発作中に顔が痺れた、物が二重に見える、嘔吐
  脳卒中(脳血管障害)が疑われます。早急に脳神経外科などの病院へ行っていただきます。

③危険な「腰痛」「背中の痛み」

「何をしたときに(どんな格好をとったときが)痛いですか？」これは、何を確認しているかというと、運動器由来(筋肉)の痛みかどうか？ということです。

例えば

• 動けないほど痛い
  → 動いて刺激が発生するのは運動器(筋肉)、これにより痛みが増悪するのは間違いなく筋肉(靭帯)が原因の痛みです。
  → 当院で施術できます

• 動かしたら痛いのではなく、痛いから動かす。運動器(筋肉)に刺激を発生させたから痛いのではなく、痛いから身体を動かす。
  これを、運動器(筋肉)の痛みと錯覚することがある。
  → 病院へ行っていただきます。

＜自発痛 = 何もしないでも痛む＞があるかどうか？

内臓由来の痛みは、発痛物質がだらだらと出続けます。だから、自発痛になりやすい。発痛物質が多くなったり少なくなったりするので、痛みに強弱があるのが特徴です。

自発痛を確認しやすいのは

布団に入ってから寝付くまでに、夜間痛があるかどうか？

だらんと寝ている姿勢は、楽な姿勢になっており、基本的に筋肉に刺激は発生しません。

この時に痛みがあると、内臓由来の痛みが疑われます。

疑われる疾患

脊椎腫瘍、脊髄腫瘍

• 脊椎腫瘍…他臓器からの転移が多い。下肢の麻痺、排尿障害が起こる場合もある。
• 脊髄腫瘍…慢性的な腰の痛み、下肢の麻痺や排尿・排便障害が起こる場合もある。

消化器系の病気

胃・十二指腸潰瘍、胆石、胆嚢炎、すい臓炎、など。腹痛や血便、吐き気、嘔吐を伴うこともある。

泌尿器科の病気

尿路結石、腎結石、腎盂腎炎、前立腺がんなど。排尿障害や血尿を伴う。

循環器系の病気

心筋梗塞、解離性腹部大動脈瘤

• 心筋梗塞…締め付けられるような背中の痛み、腰痛
• 解離性腹部大動脈瘤…腰、下腹部に突発的な激痛が走る。
  　

婦人科系の病気

子宮内膜症、子宮がん。おりものの量の増加や不正出血を伴う。

このように、重篤な疾患の可能性がある場合や、医療機関への適応疾患には、必ず病院の受診を勧めます。

診療時間

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